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大学院生の活動

修了生インタビュー

日本で学んだからこそ見えるものを伝えていきたい。

 「アジア映画を学ぶのであれば、四方田先生に教えていただいてはどうか─」。

 他大で学んでいた時の指導教授の言葉でした。韓国からの留学生として日本映画を研究したいと思っていた私は、その言葉を頼りに、四方田先生に会いに行ったのです。非常に理論的に映画を分析する四方田先生に惹かれ、「ぜひこの先生の下で学びたい」と思い、明治学院大学の大学院に入学しました。日本に来て一番幸運だったことは四方田先生に出会えたことだと思います。

 大学院に入学してからはたいへんでした。先生の授業のレベルが非常に高いのです。授業中は常に緊張感が漂っていて、最初は少し怖いと感じることもありました。でも授業が終わると、気さくで優しく面白い先生で、外国から来た私にとっては、厳しさと優しさ両方を持つ四方田先生の下でなければ、ここまで研究を進められなかったかもしれません。

 そんなある日、先生から「今井正監督を研究テーマにしてはどうか」と提案されました。今井正監督といえば、戦時中に軍国主義映画を撮影したため、私の母国である韓国では、日本の占領政策の一翼を担ったとして常に批判されています。だから最初はとまどいました。先生から、「今井作品はまだ研究が進んでいないし、彼の作品は韓国・朝鮮ともつながりがあるのだから」とも勧められ、まずは全作品を観たのです。やはり最初は批判的に観ていたのですが、徐々にイメージが変わりました。よく見ると、テーマは軍国主義なのに、台詞や仕草など、ちょっとした演出で軍国主義を批判しているシーンがいくつもあったのです。さらに戦後は、その延長線の上で社会的なものをテーマに、人間味あふれる映画を撮るようになりました。

 アメリカや韓国の映画評論家の中には、いまだに戦時中の今井作品の表面だけを観て強く批判する人もいます。私の今後の課題は、この評価を変えていくこと。韓国で今井正監督の全作品について評論を書き、正しい姿を広める。それが韓国で生まれ、日本で学んだ私の「使命」だと考えています。

崔 盛旭 芸術学専攻
博士後期課程2009年3月修了
博士(芸術学)

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