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芸科生の活動

09. 『Un Lucid DreammmMMmmMmM』
14年度生 総合芸術学系列 幸島健太

(1) 表現したかったこと

 人は眠ると夢を見ることがある。それはリアルであったり突飛であったりするが、その夢に「明晰夢」という種類がある。今自分が夢の中にいるというのを自覚できている状態の事をこう言うらしい。そこでは、夢故に自分の想像した事を実現でき、体感出来るという。では逆に、この現実こそが明晰夢で、夢が現実だったらどうだろう。こういったストーリーの映画が数本あるが思った事はないだろうか。自分の想像通りの世界。自分を中心に回っている世界。きっと気持ちよすぎて起きたくなくなると思う。そうしたらもう何が現実で、夢で、何が自分で…ということが全て曖昧に分からなくなり気が狂うのではないかという事を表現しようとこの作品を製作した。タイトルは、明晰夢の意味の「Lucid Dream 」に否定語「Un」をつけた造語。反明晰夢とでもいうのか。mが大文字と小文字で繰り返されているのは狂っていくのを表すためにそうした表記にした。

(2) それをどのように音響に置き換えようとしたか

 聴いた人が自由に感想を抱くのが正しいと思うが、この音響作品には自分の中には正確なストーリーがある。主人公が眠るところから作品が始まる。あくびと寝息がそれだ。人は眠る時にも起きた時にもあくびをする事があるので、それに着目して、睡眠時と覚醒時の状態を曖昧にするのに用いた。そして、ドアの音が夢の中へのトリガーとなっている。1番初めに見る夢は、ファンタジックで楽しい世界だ。瞳孔がシャッターの猫、子供たちが剣で戦いあって、笑い声が聞こえ、遊園地のような音が聴こえる。主人公はそこを下駄で歩く。風船が割れて目覚まし時計の音とともに目が覚める。あくびともに日常へ。そしてまたあくびをして睡眠に入る。今度は話し声や街のざわめきが聴こえる。現実に近い夢だ。そこを主人公が靴で歩く。ざわめきはやがて小競り合いに変わり、パンチで起きる。主人公の動悸、そしてまた夢(もしくは現実での)ドアが開く。そこからはパンを工夫した。右から出る音は現実を表していて、左から出る音は夢を表している。現実から聴こえるのは街の音や電車の音、人々の怒る声、目を背けたくなる音だ。夢から聴こえるのはスポーツをしている音や何かの劇の開演の音、ノスタルジックな音だ。そこを主人公が息を切らしながらいる(もはや歩いているのか走っているのかただそこにいるだけなのか、夢と現実どちらにいるのかすらわからない)そして主人公のカオスな精神を表すために後半はずっと説明しづらい音を流した。最後は夢から覚めたかと思いきや、ドアが開いたり閉まったり開いたり開いたり開いたり閉じたり閉じたりする音、あくびと魘される音、不定期になる目覚まし時計。と、主人公の精神が不安定な様を表現しようとした。最後彼がどうなったのかをリスナーが自由に想像できるように意味深な音響で終わらせた。

(3) 完成音響を聞いての自己評価

 中間発表の時にたくさん意見を貰ったが、たくさんの選択肢がありすぎてどれを選びとったらいいか大変迷ったので第三者の意見を取り入れつつ自分の世界観を守れるように努力した。中間発表の時に先生に逐次的すぎると言われたし、自分でも音響作品のわりには説明的すぎる気もしたが、一方で同級生たちからはテーマが難しいからもっと分かりやすくするのは?という意見も貰ったので、途中までは分かりやすく、後半をカオスな感じにした。正直、夢と現実を混ざり合わせるのはもっといいアイデアやいい表現がたくさんあったとは思うが、与えられた時間と現行の知識を使って何とか自分自身が納得する最低限のラインまでは持って行けた気がする。

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