• HOME
  • 芸科生の活動
  • 大学院生の活動
  • 卒業論文
  • イベント/お知らせ
  • 学科紹介
  • 大学院研究科
  • 教員紹介

芸科生の活動

04.『人魚姫』
15年度生 音楽学系列 神保茜里

(1) 何を表現しようとしたのか

 わたしはこの作品で、アンデルセン童話の人魚姫について表現しようと思った。有名なディズニー映画の人魚姫は、王子様と結ばれるハッピーエンドだが、原作の人魚姫は王子が他の女性と結婚してしまい、人魚姫は海の泡となり死んでしまう。わたしは、人魚姫の人間である姿は、いつか失われてしまう限りある姿であると思う。それにも関わらず、ひたすら王子のために身を削っている人魚姫の痛みやかなしみを表現したいと思った。また、童話独特のグロテスクな雰囲気も表せていたらいいと思う。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

 人魚から人間に変身する場面、ダンスを踊る場面、死の場面、という三部構成になっている。まず、人間に変身する場面では、一枚一枚鱗がはがれ落ちる様子を鎖の音で表現した。中間発表のときに、鎖の音が金属的すぎて鱗っぽくない、もっとグロテスクさが欲しいという意見をもらい、鎖の音をこのまま使うか悩んだ。しかし、鎖の音はしばられた人魚姫の姿を暗示できると思い生かすことにした。鎖の音量を少し下げ、めりめりと皮のはがれる音と組み合わせることで、グロテスクさを生み出すことができた。ダンスの場面では、オルゴールとねじ巻きの音で、いつかは止まってしまう限りある感じを表現した。また、「歩くたびにナイフを刺したような痛みがはしる」という童話の記述にあわせて、ナイフを刺す音をしつこく入れた。鐘の音を12回入れたのは、人間でいられるときが終わりを告げる様子を表現した。最後の死のシーンは、人魚姫が自分自身を刺す様子を表現したかったので、心音をナイフを刺す音と共に止めるようにした。最後のオルゴールのワンフレーズは、死ぬ間際の人魚姫が、走馬灯のように思い返す様子を表している。

(3) 完成音響の客観的自己評価

 音量のバランスをもう少し工夫できたらよかった。最後の死の場面は、王子様が死んでしまうようにもとれるので、もっとわかりやすく表現できたらよかった。でも、なんとなく物悲しい雰囲気や、グロテスクさは表現できたのではないかと思う。

page top pagetop