• HOME
  • 芸科生の活動
  • 大学院生の活動
  • 卒業論文
  • イベント/お知らせ
  • 学科紹介
  • 大学院研究科
  • 教員紹介

芸科生の活動

06.『an hour』
15年度生 美術史学系列 高橋日菜子

(1) 何を表現しようとしたのか

 今回の音響制作のテーマを考えるにあたり、何か自分の好きなことや日常のものを音で再現できないかと考えた。私の場合、月に2回はライブに行くので、そのライブの開場時間から開演時間までの1時間を音響で再現しようと思った。この1時間は客からすれば不思議な時間であり、不思議な空間だ。そわそわしたり、緊張したり、ピリピリしたり、様々な感情が入り混じりながらも、客同士の謎の一体感が生まれる、そんな不思議な1時間を1分に凝縮して、聴く人が実際にライブハウスにいるような感覚を味わってもらえるように制作した。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

「実際にライブハウスにいるような感覚」を出すために実際に録音した音を使うこと、視点はあくまで自分だが、自分の感情表現は心臓音のみにすること、1時間を1分にまとめることを念頭に置き制作した。20秒までは、会場外で整理番号が呼ばれる時間を、40秒まではライブハウスに入るまでを、そしてそこから最後までは実際に演者が出てくるまでを表現した。最初から40秒までは、左からピッチをあげた声を出すことで時間の経過を表し、右からディレイやフィードバックをかけた声を出すことで何度も繰り返される言葉が脳内に反響している様子を表現している。また、始まる時間が近づくにつれて心臓音が早くなっているのを表現するために徐々にピッチをあげたり、ディストーションをかけたりした。サウンドチェック時の笑い声は、私がよく経験する瞬間で、サウンドチェックに出てきたスタッフを演者だと思い歓声を送ってしまった時に出る笑い声を表現した。最後を大きくした心臓音のみにして終わったのは、ライブが始まる瞬間、周りの音が一気になくなり一瞬訪れる静寂を表現したかったからだ。こういった「ライブあるある」のような要素も盛り込み、さらに自分の感情表現を心臓音のみにしたことによって、聴き手がより一層ライブにきている感覚を味わえるようにした。

(3) 完成音響の客観的自己評価

自分がライブに来ている感覚は味わえるが、それ以上の感情は生まれない。
今回設定したテーマがあまりに現実的な事象すぎたため、1時間の凝縮版というだけで、それ以上音に広がりが生まれなかった。終わり方を思わせぶりな感じに変えたのは正解だったと思う。

page top pagetop