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芸科生の活動

07.『ネットに飲まれる人々』
15年度生 音楽学系列 高村乃暁

(1) 何を表現しようとしたのか

今回の私の作品は現代社会において問題視されているネット依存を表現しようと思った。私もよくスマートフォンやパソコンを用いてインターネットをつけている。おそらく依存症とまではいかないもののそれに近いものが私にもあるのかもしれない。ただこの問題は私だけでなく現代社会を生きている若者たちの大半はこの傾向にあるのではないかと思っている。今回の作品ではこのネット社会のはざまに生きている現代人の現状を表現したうえで、この事柄に警鐘を鳴らすことを表現した作品である。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

この作品を作り始めた当初は単純にパソコンが人間を支配するというテーマの下で音響作品を作ろうとした。ただこのテーマは思っていたより難しく中間発表を機にちょっとテーマ決めが短絡過ぎたと思った。というのも先生や友人からパソコンに使われている感覚が伝わらないことやそもそもテーマが判然としてないのではないかとコメントを頂いた。この中間発表が終わってからいろいろなパソコン批判論者の意見を調べた。そうしたらネットやSNSを批判する内容というのが思っていたより見つかった。中間発表以前の私はこれすべてを音響表現で表そうとしていたのかと思うと無理があるなと思った。そこでテーマをネット依存に絞ってまた作品制作にとりかかることにした。まず、中間発表の時に入れていた足音などの余計なトラックは削除し、望月先生がおっしゃったいわゆる類型的な音源(爆発や機関銃などの直接戦争を彷彿させるような恐怖を与える音など)も除いた。そのかわりに自分の肉声トラックをたくさん挿入させ、いろいろな表現に取り掛かった。自分の肉声をいろいろな方法で加工しそれを何回もループさせることによって現代に生きる大衆やパソコンの中のいろいろな情報が混在している状況を表現した。エンターキーを強くたたく音、ダブルクリックする音にリバーブをつけて状況変化や決断を表現した。あとは再生される肉声の通りに作品が進んでいく感じである。最初は「ためになる」といった情報を取り入れるために使っていたツールが、どんどん時間が進むにつれ「見たい」という欲望にかられて見て、最終的には「見なきゃ」とインターネットを付けることが義務化されているようになっていく。こんな感じでインターネットに依存してしまう現代人を表現した。Windows XPの起動音がループされている理由は依存をしている人が一人ではなく複数いることを表現している。

(3) 完成音響の客観的自己評価

まず反省点として、このテーマにはやく行き着くべきだったと思った。そして中間発表でこの作品聴いてもらって意見をもらったらまた違うものができたのではないかと思った。あとはこの作品はどちらかというとセリフが多い作品である。これは音響作品であるので、もう少し肉声以外の音を取り入れるべきだったとおもった。最近はスマートフォンの依存症もあるのでスマートフォンの効果音とかも入れたら面白いと思ったが、いれたらごちゃごちゃするのではないかと心配して入れなかったのであるがもしかしたら入れても悪くなかったのかもしれない。しかし中間発表時のものと比べると、何が伝えたいのかが明確な点とそれによって余計な音源が少ない点からだいぶすっきりした曲が完成したのではないかと少し満足している。

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