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芸科生の活動

08. 『記憶が浮遊する海辺』
15年度生 音楽学系列 竹波美優

(1) 何を表現しようとしたのか

 私はこの音響の制作を通して人間が持つ、記憶する、忘却するという機能の神秘を表現したいと思った。わたしは、テスト勉強のときや人と話しているときなど様々なときに忘れるという機能を煩わしく感じる。
 しかし私が忘れてしまった記憶の中には「思い出すべきでないもの」「忘れるべきであるもの」がいくつか含まれているだろう。そうでないものも、それを覚えていることで何かの拍子に「忘れるべきであるもの」を思い出してしまうことになりかねない。この音響はそういう忘れてしまった記憶たちに思いを馳せながら組み立てたものだ。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

 これを作るにあたって私が最もこだわったのは何かと何かがぶつかる音を多く入れることだ。家にある金属類をすべてぶつけ合わせ音を採集した。金属がぶつかり不協和音が生まれるさまは記憶を思い出したときの感覚と似ている気がしたのだ。そして肉声を合計6トラックつくりリバーブをかけ音響化した。終始鳴り続ける海の波の音は海馬という記憶をつかさどる人間の機能とリンクさせた。あくまでもイメージなのだが海馬には無限を感じさせるゆったりとした死んだような時間の流れが存在しているように思う。波は海馬とそこに流れる時間をあらわす音響だ。

(3) 完成音響の客観的自己評価

 上記の音を組み合わせることによって神秘的でゆったりとしていて残酷で美しい無限の空間を表すことができたと思う。しかし感覚でやりすぎたせいか技術的な面が乏しく音響表現の授業での制作物としてはつまらないものになってしまったかもしれない。総合的にいうと、初めて触ったにしては面白いものができた。家にあるソフトを駆使してこれからも制作を続けたい。

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