• HOME
  • 芸科生の活動
  • 大学院生の活動
  • 卒業論文
  • イベント/お知らせ
  • 学科紹介
  • 大学院研究科
  • 教員紹介

芸科生の活動

07. 『space trip』
16年度生 音楽学系列 西村 えりか

(1) 何を表現しようとしたのか

 私は最初「人生×24h」という題(仮)で、人の一生と一日の流れを掛け合わせたものを表現しようと考えていた。その予定で作り始めたが、中間発表までに冒頭部分までしか完成させることができなかった。そのため、宇宙(夢)から魂(意識)が現実へ降りてくるところまでしか皆に聴かせることができなかった。すると、その雰囲気が思いのほかとても好評でもっと聴いていたいという声を頂いた。「不思議な感じ」「ふわふわしている」というコメントも多数寄せられた。これらの言葉は普段私自身についてもよくかけられる言葉で、ならば自分らしさを思う存分出せそうなこの雰囲気を終始貫いてしまおう、と思ったのがこのテーマ決定のきっかけである。皆の意見をもとに、とくに何か伝えるという趣旨もなく、ただひたすら抽象的に、宇宙の神秘を表現しようと思った。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

 音響を作っていくうえで、たとえば宇宙船に乗っていることにして、乗客の声を入れたり、隕石と衝突しそうになって慌てふためく声やサイレン、緊急アナウンスなどを入れSFっぽくしようかとも考えたが、それでは不思議でふわふわした雰囲気を壊してしまうと考え却下した。宇宙人といえばUFOに乗っていて、どこか知らない星に住んでいるというイメージだが、もしかしたらこの宇宙を生身で飛び回っている宇宙人がいたっておかしくないだろうと思い、私はその生物の視点で宇宙を観光している気持ちになりながら作業を進めていった。宇宙はただ星がきれいに瞬いているだけではなく、隕石が飛び交い衝突・爆発を繰り返して非常に危険な場所でもある。最初は皆が思い描くような夢の詰まったキラキラした世界としての宇宙をキラキラした音を使って表現し、その先に進むと隕石が飛び交う危険な宇宙の深層(真相)に迫るような空間を隕石の落下音で表現した。宇宙空間の広がりを出すために様々な音にリバーブをかけた。隕石の落下音などは、右からきて左に落ちていったりその逆だったりをパンを使い左右に徐々にシフトさせまるで本当にそこにいるかのような立体感を生み出そうと試みた。

(3) 完成音響の客観的自己評価

 一年ほど前にこの授業を受けようと決めてから考えていた感じとは異なったイメージになったが、必ずしもメッセージ性を重視する必要はなく、正解を作らず聴き取り手が受け取って完成させることも一つの表現方法で、たとえ意味などなくてもただ聴いていて心地いいというだけで音響作品になりうるし、それが何より大切なことなのではないかと考えさせられた。この作品にはまだまだきっと改善の余地がたくさん残されていると思うが、初めて音響作品を作り完成させられたのでよかった。ぜひこれからに繋げていきたい。

page top pagetop