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芸科生の活動

08 『2020』
16年度生 芸術メディア系列 秦 彩乃

(1) 何を表現しようとしたのか

 以前イギリス留学へ行った際に気づいた日本人の知らない日本の良さ。雅楽や民謡、武道に象徴される“静”の世界、激しい太鼓や祭りの掛け声に象徴される“動”の世界。日本人が大切にしてきたこの“静と動”の概念は、彼ら海外の人々からすると、日本らしい美を感じるという。また、“一瞬一瞬を大切に”という概念もまた彼らを魅了する。花火ひとつとってみても、海外がより華やかに盛大にを重視するのに対し、日本においては一発一発を大切に目に焼き付けようということも忘れない。今回は、“静と動”“そして”一瞬一瞬を大切に“というこの二つの概念を、海外へ日本を伝える機会にもなり得るであろう2020年に行われる東京五輪と関連付けて表現しようと試みた。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

 まず、ただの五輪ではなく日本で行う五輪というのを強調するため、太鼓の音を音響のバックに流し続けることで、日本らしさと五輪の高揚感を表現。加えて、印象的な東京五輪正式発表の瞬間から“TOKYO!!”の掛け声と”おもてなし“の音声、さらに東京の”電車の音“や”三社祭の掛け声“、”東京駅の放送“なども盛り込んだ。競技音の開始においては、開会式の音では面白みが出ないと思い、競技開始の意味も込め”set”の声で始めた。そして”一瞬一瞬を大切に“を表現するために、五輪種目の中から”一瞬“が印象的な”バドミントンのスマッシュ“や”水泳の飛び込み“などの音を選び並べた。この時に、中間発表での競技音がぶつ切りに聞こえるとの意見を参考に、音をFI/FOでつなげることに気をつけた。前半部はとにかく音を並べ”動“の表現に努めたが、対して”静“の世界を表現するために、中間部で太鼓の音量を一旦下げ、雅楽の音を入れることで工夫した。再び競技音を再開させて終盤、”マラソンの呼吸音“と”太鼓の音“をFOさせてすべての競技音を止めた後、競技に向かう選手たちの意気込みと”静“を表現するために”深呼吸の音“を録音して入れた。そして最後、今回の五輪では準備段階において設計や予算の見直しが繰り返し行われなかなか準備が進まないのが目立ってしまっている。これを表現するため皮肉を込めて”工事現場の音“で締めた。

(3) 完成音響の客観的自己評価

 “静と動“の対比や”一瞬一瞬を大切に“といった概念は、音の選択から構成まで比較的よく表現できたように思う。しかし、これらを伝えようとするあまり音源数が多くなってしまい、少し音が混雑してしまったのが気になる。また、FI/FOの編集や縦の重なりは意識できたが、リバーブやピッチなどProtoolsならではの編集技術をもう少し多様に使っていけたらよかったのではないかと反省点も残った。

参考音源  KODO 鼓童 「O-Daiko」

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