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芸科生の活動

11. 『1/365』
16年度生 音楽学系列 山本 陽葉

(1) 何を表現しようとしたのか

 「毎日同じことを永遠に繰り返しているようでつまらない」という思いはだれもが抱いたことがあると思いますが、よくよく考えてみると「完全に同じ日」は生きていて一日たりとも存在しないはずです。ただ毎日を何も考えずぼんやりと過ごしてつまらないと言うのではなく、そんな日常のちょっとした違いをもっと能動的に楽しんでいきたいな、その方が楽しそうだな、というメッセージをこの曲には込めました。曲中でおなじテーマを永遠に繰り返すのは、音響表現論演習Aの講義でサティ作曲のヴェクサシオンに影響を受けました。

(2) それをどのように音響で表そうとしたか

  この作品は2層構造になっています。ProTools上で、上部(右のパン)が「繰り返しの日常」、下部(左のパン)が「365通りの毎日」です。「繰り返しの日常」では、7秒間で朝起きてから就寝するまでの一日の流れを表現した音響が、全く同じように52回ループします。これによって、秒数で(多少違いますが)1年間を表しています。また「繰り返しの日常」のテーマは、全体に同じように電子音的になる加工をかけることによって、繰り返しの機械的な側面も表しています。「365通りの毎日」では、上部の音響とは対照的に同じテーマや音響はほぼ使われていません。最初、ここには花火の音やクリスマスの鈴の音など、一年に一度のイベントを彷彿とさせるような音響を入れようと考えていましたが、中間発表で「これだと本当に伝えたい『日常の機微を面白がる』ということが伝わらないのではないか」と感じたため、あえて雨の音や猫の鳴き声などの普段聴きそうな音響をミックスしました。また、この二種類の音響がだんだん後者に移り変わってゆく様子が感じられるよう、右のパンの音量が徐々に弱まっていき、それに比例するように左のパンの音量が強まっていくように工夫しました。最後に盛り上がっていきなり曲が終了する、という演出は、いつ当たり前と思っている日常が終わるか分からない、いつの間にか終わってしまうかもしれない、というメッセージも込めようという考えからです。

(3) 完成音響の客観的自己評価

 上部のテーマを作ることに手間取ってしまい、一時はどうなることかと思いましたが、最終的になんとか形にすることができて良かったです。結果的に6分以上になってしまいましたが、365秒にこだわりたかったので仕方ないのかな、と思います。左のパンの音響にもう少し工夫があってもいいかなと思いました。

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