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芸科生の活動

芸科生の留学記──ドイツ編2009

第3回 みやげとNIHON人 芸術学科芸術メディア系列3年 MYさん

 こんにちは。今回は「みやげ」をつうじて「私はNIHON人なのだ」と考えさせられた出来事についてお話します。

 私はこちらでは8月からずっと寮生活ですが、システムの関係上、9月はじめに別の寮へ引越ししなければなりませんでした。それにともない、1日宿なしの状態になり、宿泊先を見つける必要がありました。そこで、こちらに住んでいる友人に頼み、彼女のもとに一晩泊めさせてもらうことになりました。彼女とは去年のサマースクールで知り合って以来の仲ですが、今回は1年ぶりの再会です。さらに、彼女はご家族と同居しています。さて、みなさんはこのような状況に出くわしたら、まず最初になにを考えますか。

 私が最初に考えたことは「おみやげはなにを持っていこう」ということでした。彼女の家を訪れるのは今回が2度目です。1度目は去年彼女に招待された時でした。こちらでは家へ招待されたら、招待された側は何かしらの「手みやげ」を持っていくことが「習慣」となっています。お菓子やワインなど、ちょっとしたものを持っていくことで喜ばれます。私はこのことを知っていたので、前回の時には気兼ねなくワインを持っていき、実際に彼女とご家族に喜ばれました。しかし今回は前回とは状況が違います。私のほうから「お願い」して家に泊めさせてもらうのです。私は、それでもなんとなくの感覚で「今回はおみやげは何もいらない」のではないかと感じました。もしもここが日本だったらなにか持っていく必要があるけれども、ここはヨーロッパ。少々抵抗はあるけれども、何も持っていく必要はない……。

 私は自分のなかでこのように答えを出し、実際にドイツ人の友人に聞いてみました。「今度、友人の家に泊めさせてもらうんだけど、なにか持っていったほうがいいのかな」。答えは「Du musst nicht(必要ない)」。予想通りの答えでした。もう1人のドイツ人の友人に聞いてみても答えは一緒でした。そう言われてもまだ抵抗感があったことは事実ですが、郷に入れば郷に従え、です。私は気持ちを抑え「手みやげは持っていかない」と決めました

 決めたはずです。

 少し時間が経ってから、やはりなにか持っていかなければ「気が済まない」と思うようになりました。誰かの家へいくのだから……。そこで、何人かの日本人に状況を説明し意見を求めました。すると、全員「持ってってもいいと思う」と口をそろえました。

 結局、私は手みやげを持っていくことにしました。

 先ほど相談したドイツ人の友人にそのことを話したところ驚かれ「NIHON人だねー と言われてしまいました。その友人は「本当はいらないものだから、小さいお菓子を買って持っていこう」と言い、こんな小さいものでいいのかと私が感じるほどのお菓子を持っていきました。

 今回の経験をつうじて、どうして私はなにか持っていかなければ気が済まなかったのだろうと考えました。おそらく、それは「お世話になる(泊めさせてもらう)」ことの感謝を表現したかったからだと思います。でも、そのことはここドイツでは到底考えられないことです。複数のドイツ人の友人が「持っていく必要はない」と言ったのに対し、複数の日本人の友人が「持ってってもいい」と言ったことからもわかります。「場」を大切にするので、日本人はこのようなことを考えるのかもしれません。逆になにか手みやげを持っていかなければ「失礼」といった風潮もあるように感じます。とても小さなことですが、それでも「私はNIHON人なのだ」と感じる出来事でした。

2009年9月17日

最終的に持っていったお菓子。それでもこの程度のものでいいのかと思う

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