• HOME
  • 芸科生の活動
  • 大学院生の活動
  • 卒業論文
  • イベント/お知らせ
  • 学科紹介
  • 大学院研究科
  • 教員紹介

芸科生の活動

芸科生の留学記──ドイツ編2009

第7回 Schulsystem〜学校制度〜 芸術学科芸術メディア系列3年 MYさん

 こんにちは。今回はドイツの学校制度についてお伝えします。ドイツは、専門技術を持つ人材を積極的に養成しているというイメージを私は以前から持っていました。そして今回、友人らと話していくなかで、その要因は学校制度にあるということが分かりました。国が違えば、システムも異なります。今回はそのことを学校制度のしくみからお伝えしてゆきます。

 日本の就学義務は6歳です。つまり入園任意の幼稚園または保育園を卒園すると、9年間にわたる義務教育が始まります。6年間の小学校と3年間の中学校。この義務教育がおわると、各々さまざまな進路をとることになります。そのまま勉強を続ける人もいれば、就職する人もいたりなどして、15歳が一つの節目になります。

 ドイツの場合はいったいどうなのでしょうか。就学義務が6歳であることと、その期間が9年間であることは日本と一緒です。6歳で入学する学校は、Grundschule(基礎学校)と呼ばれ、4年制となっています。ただ、この年数は州によって異なり、たとえばベルリンでは6年と定められています。学校制度は国の管理下にあるものの、施行についての権限は州が所有しているのです。この学校を修了するとOrientierungsstufe(オリエンテーション期間)に入ります。2年間という期間のあいだに、Grundschuleでの成績や親の希望をもとにじっくりとその後の進路を決めます。つまり、11歳でその後の人生の歩み方が決まるのです。

 ここで設けられている進路は、大学コースと職業コースです。大学コースに進む人は全体の40%、職業コースに進む人は60%となっています。大学コースに進む人はGymnasium(ギムナジウム)に通います。6年間ここに通うことで、Gymnasiumの卒業試験であるAbitur(アビトゥーア)を受けることができ、そしてこれに受かると大学入学資格を得ることができます。

 職業コースはいったいどのようになっているのでしょうか。おおまかにわけて2つの学校―Hauptschule(基幹学校)とRealschule(実科学校)―があります。前者はおもに芸術や政治について学び、後者はそれよりも広範囲の分野について学びます。14歳あるいは15歳でそれぞれの学校を卒業すると、志願者はAusbildung(養成専門教育)をすることになります。学校で理論を学びながら、企業で実際に働くのです。将来銀行で働く人もパン屋で働く人も、美容院で働く人も薬局で働く人も、職場先ならどんな場所でも働くにはこの課程をクリアしなければなりません。この期間は一般的に3年で、週に2日ほど学校で理論を学び、残りの日数は実際に職場で働きます。学校で学ぶ理論といえば、銀行の場合は経済について、パン屋の場合はそれぞれのパンの材料についてです。もちろん企業で働く場合、報酬も得ることができます。この3年の過程を見事にクリアした人は、社会に出て働くことができます。逆にいえば、この課程を修了しなければ社会に出て働くことができません。

 私はこの学校制度を知った時、11歳で進路が決まってしまうことに驚きました。私が11歳の時を振り返ってみても、将来何をしたいかなど具体的に考えていなかったように思います。早い段階で進路をせばめてしまって、たとえばあとで職業コースにすればよかったと後悔したらどうするのだろうと私は思いました。しかし、そこは柔軟がきいていて、Abitur修了のあとに大学に入らずにAusbildungをすることができるそうです。私の友人にもAbitur→Ausbildungという過程を経て、現在大学生の人がいます。つまり、いくら早く将来の方向性を決めたからといって、成長の過程に応じて変えることができるのです。素晴らしいと思います。また、社会に出るために職業専門学校を卒業しなければならないことにも驚きました。ドイツでももちろん職に就く前には、日本と同じように面接等の試験があります。しかし日本と違うところは、その職業に就くことが決まった時にはその方面の知識をすでに有しているということです。日本では入社後に実習などをつうじて、その職業についての知識を深めますが、ドイツでは入社後すぐに1人前の人間として働くのです。

 ドイツが教育の国といわれる理由は、このように小さなころから知識が専門的に深まる教育制度にあるのです。しかし時代が変われば状況が変わるように、じつはこの教育制度が今年から変わった場所があります。それが私の現在留学しているハンブルク州です。いったいなぜ、そしてどのように制度が変わったのでしょうか。次回はこのことについてお伝えします。

2009年11月14日

Grundschule ここで4年間まなぶ

左のKampsはパン屋 右のFRISEUR SALONは美容室 職種にかかわらず、職業専門学校を卒業することが必要

page top pagetop