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芸科生の活動

芸科生の留学記──ドイツ編2009

第8回 Schulsystem 〜ハンブルクの場合〜 芸術学科芸術メディア系列3年 MYさん

 こんにちは。今回はハンブルクの教育制度についてお伝えします。この制度はまさに今年から施行されました。ではいったいどこがどのようにして、そしてなぜ新しい制度へと変わったのでしょうか。

 変わった点は、Realschule(基幹学校)とHauptschule(実科学校)が1つの学校、Stadtteilschuleに統合されたというところです。すなわち、以前の制度なら11歳で大学コースか職業コースを決めていました。しかし、それが15歳に延長され、全員一律に6歳から15歳までStadtteilschuleという1つの学校で学ぶことになったのです。複数の学校が1つに統合されることは大変革です。

 なぜこのように変わったのでしょうか。理由はおもに3つにまとめられます。少子化、外国人の増加、平等教育のためです。

 ドイツは日本と同じように少子化が進んでいます。2007年現在のドイツの合計特殊出生率は1.37で、同年の日本は1.34です。両国とも低い水準となっています。このため、教育内容の似たRealschuleとHauptschuleを廃止し、Ausbildung(養成専門教育)に進む人もAbitur(アビトゥーア)に進む人も同じ教育を受けることになったのです。

 また、少子化が進むということは未来の労働力が危惧されるということを意味します。ハンブルクは国際都市であり、日々街のなかを歩いていてもさまざまな国籍の人を見かけます。つまり「外国人」が将来のハンブルクの担い手になるのです。働くということは言葉ができることが前提となります。つまり教育期間を長くすることで、同時にドイツ語ができる機会も外国人に与えるのです。

 また、前回Orientierungsstufe(オリエンテーション期間)で大学コースに進むか職業コースに進むか決めるとお伝えしましたが、これは端的に言うと、成績の良い人が大学コースに進み、そうでない人が職業コースに進むのです。つまり、目に見える差別がそこには存在しているのです。教育を受けたくても成績が悪いだけで、進学できない。そのような子どもたちが多くいるのです。また、家庭になんらかの問題がある場合でもAbiturに進める人はほとんどいません。「できない」というレッテルを貼られてしまうのです。

 私は前回、ドイツの学校制度が素晴らしいとお伝えしました。しかし、それはよく考えてみれば大学コースの場合の話です。Abiturを修了した人は、Ausbildungも経験できます。しかし、職業コースに進んだ人は、Ausbildungを体験できても大学生になることはできません。そのことを考えると、ハンブルクのこの新しい教育制度はそのような差別を撤廃するとともに、数十年後の都市像がよく考えられたものだと思います。この新しい制度は首都ベルリンでも施行されています。いま、ドイツは教育制度において転換期にきています。いずれにせよ、その成果が見えてくるのには時間を要しますが、それでもどうなるかが楽しみです。

2009年11月15日

ハンブルク内のとあるStadtteilschule ここで9年間学ぶ

上の写真と同じ学校の外観 複数の学校が統合されたので、やはり少し大きめのつくりになっている。

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