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芸科生の活動

芸科生の留学記──ドイツ編2009

第12回 Die Vorlesung 〜授業の様子〜 芸術学科芸術メディア系列3年 MYさん

 こんにちは。みなさんは、欧米の学生の授業態度についてどのようなイメージをもっていますか?今回はドイツでの授業の様子についてお伝えします。

 日本の大みそかのすごしかたは、どのようなものでしょうか。帰省ラッシュという言葉をその時期にニュースでよく聞くように、たいていの人は家族と一緒にすごし、年末特別番組がテレビで放送されるのを見て、もう年末なのだなと感じる人が多いと思います。総じて日本の大みそかは静かなイメージがあります。

 私がもっていたイメージといえば、分からないところがあれば積極的に手を挙げて、時にはディスカッションになるほど活発というものでした。授業が始まり2カ月がたちますが、このイメージは見事に的中しました。どの授業でも、本当にこのようにおこなわれています。200人規模の大教室で、教授がマイクを使って講義をします。そこでわからないことがあると学生は手をあげ、指された学生は200人の前で自分の疑問に思ったことをいうのです。とくに恥じることもなく、自分の意見を堂々という学生の姿に私は文化の違いを感じました。日本では、疑問をもってもすぐに質問する人は少なく、授業後に直接教授のところへいって質問をしたり、またリアクションペーパーに書くことで、翌週その疑問が解消されたりします。このように人前で自分の意見をいうことに慣れていない少なくとも私にとっては、この授業の様子が新鮮で、そしておもしろくてたまりません。すぐに議論になることも、その理由です。1人の学生が教授に対してぶつけた疑問であっても、何百人もの学生が同時にその話題を共有するので、その疑問に対してなにか疑問を思った学生もすぐにその議論のなかに入っていきます。時にはどちらの意見を支持するか、教授がその場で学生に挙手でアンケートをとったりすることもあります。生き生きとした授業とはこのようなことをいうのだなと思いました。逆に、事前にもっていたイメージとの差もあります。教室の席は前からうまるものだと私は思っていましたが、必ずしもそうではありません。たいていは、真ん中あたりから席がうまっていき、前より後ろを好む学生がほとんどです。日本と同じですね。ただ、授業に参加しているのは、若い学生だけではありません。お年寄りも参加しています。

 おそらく、このことは他のヨーロッパの大学にも通じることだと思いますが、ハンブルク大学の講義は、若い学生にだけではなく、すべての市民に対しても開かれています。すなわち、誰が受けてもよく、引退したお年寄りが若い学生とともに同じ机を並べているのです。ユダヤについてとりあつかっている授業の初回、その教室に行った時、私はびっくりしました。どこを見渡してもその教室にはお年寄りしかいかなったからです。事前にこのことを知っていた私は、それでも本当にここの教室で合っているのかどうか、教室の前に貼ってある時間割表で確認してしまいました。教室には白髪のおじいちゃん、おばあちゃん。とりあえず椅子に座った私ですが、その後何人か学生が入ってきたことでやっと安心しました。この授業は、お年寄りと学生の割合が8:2です。学生を見つけることのほうが困難です。もちろん、お年寄りの授業の受け方も学生と一緒で、分からないところがあれば、すぐに手をあげます。教授が答えても分からない時、近くに座っている学生がそのお年寄りに教える光景もときどき見ます。

 すべての授業にお年寄りがいるわけではありません。上記のようにほとんどがお年寄りの授業もあれば、まったくいない授業もあります。この違いはいったい何でしょう?お年寄りの興味のある分野。それは歴史関係の授業です。ほとんどと言っていいほど、歴史関係の授業にはお年寄りはいます。しかし、たとえば言語学やメディア関係の授業にはまったくいません。学生と同じように大学の時間割表を調べて、自分の興味のある授業に出ているのです。

 このように見ると、ヨーロッパの授業は教授の一方通行ではなく、参加者全員でつくりあげるものなのだと感じます。また年をとっても、学ぶ姿勢、学ぶ意欲が衰えず、学べる環境があるということも授業の特徴の一つだと思います。

2009年12月13日

ある授業の様子 ほとんどがお年寄り

時間割表 どの教室の前にもはられていて、何の授業がいつ行われるか確認することができる

大学内のカフェで勉強しているお年寄り よくカフェにはこのようなお年寄りがいる

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