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芸科生の活動

芸科生の留学記──ドイツ編2008

第10回 「ドイツの犬」 芸術学科芸術メディア系列3年 YOさん

 こんにちは。今回はドイツの犬についてお伝えします。私は日本の実家で犬を飼っているので、ドイツの犬にもすぐ興味を持ちました。

 ドイツでは街中に犬を連れている人がたくさんいます。公園で犬を見かけるのは日本と同様ですが、驚いたことに、混雑した駅や観光客でにぎわう広場などでも多く見かけます。ドイツの犬は人ごみに動じることなく飼い主の脇をぴったりとついて歩いていたり、オープンカフェでは飼い主の食事中じっと伏せをしたままおとなしく待っていたり、日本のたいていの犬とは違うなと感じました。

 ドイツに来て2カ月経ちますが、犬同士がすれ違うときでさえ吠えあっている姿を見たことがありません。日本でこのようにおとなしくしている犬と言えば、私の知る限り盲導犬や警察犬など、特別な訓練を受けた職業犬くらいです。そのため、私の犬を含めた一般の犬を電車に乗せたり、デパートの中に連れて行ったりなど考えられなかったので、ドイツの従順な犬を見て大変驚きました。そして、ドイツでは一般家庭でも相当厳しく犬をしつけるに違いないと思いました。しかし、散歩中のドイツ人と犬をよく観察してみましたが、犬を激しく叱ったり、逆にごほうびをあげたり、などの特別なことは見られません。

 調べてみると、ドイツはEUで初めて動物を保護する法律を制定した国で、その中に犬に関するものがあることがわかりました。飼い主にはしつけをする義務が定められている他、1頭につき年間約70〜140ユーロの犬の税金を納めなければなりません。金額は自治体や犬種や頭数によって異なります。また、衝動買いや金目当ての繁殖・売買を防ぐため、日本のように店頭で販売することも禁止されています。犬を飼いたければまず犬協会に問い合わせて予約をし、その後生まれた犬を購入します。さらに、室内で飼うことが原則ですが、やむを得ず外で飼う場合も、繋いだままにしておいてもよい一日の最長時間や鎖の長さまでも細かく規定があります。このように、国を挙げて動物を保護し、大切にする考えが浸透しているのです。

 ドイツでは法律で定められているため、しつけの重要さが日本とは異なり、実際に多くのしつけ学校があります。しかしそれよりももっと違いを感じたのは、「飼い主の責任」に対する認識です。ドイツでは飼い主の言うことを聞けない犬はしつけがまだまだとみなされ、飼い主の責任が問われます。犬が子供や他の犬を怪我させたときは、場合によっては飼い主は罰金を払わなければなりません。しっかりしつけをすることが飼い主の責任なのです。

 日本でも犬のしつけに関する様々な本が出版されており、基本的にはしつけは重要と考えられています。しかし実態は、それほどきちんとしつけられている犬が多いとは言えません。また、元々犬にそれほどの期待をしていないようにも思います。ドイツでは犬を無料で電車に乗せることができますが、鉄道ではケースを含めて10キロまでの小動物に限り、「手回り品」として270円を支払わなければなりません。日本では通勤ラッシュなども考慮に入れる必要があると思いますが、その他の動物に比べると従順である犬にもこのような決まりがあるのは、犬はおとなしくできないものという考えがあるからではないでしょうか。

 どの犬種でもきちんとしつけることが可能であることをドイツで目の当たりにして、これはしつけの方法ではなく、飼い主の意識の問題だと気付きました。日本で私は小型犬だから吠えても仕方がない、かわいいからよい、などと都合のいい解釈をしていたと思います。しかし、ドイツでは動物保護とはただ動物に自由を与えることではありません。きちんと責任をもってしつけることは、犬が人間とともに生活する上でとても重要なことなのです。人間と犬がともに幸せになれるような社会を目指しているのだと感じました。

2008年11月10日

駅で見かけた犬 飼い主のあとをぴったりついている。

デパートに入る犬と飼い主 ドイツでは食料品を除くお店の中に犬を連れて入ることができる。

大学の食堂入り口前で待つ犬 飼い主の用事が終わるまで静かに待っている。

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